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寒いと夜尿症(おねしょ)が増えるのはなぜ?

皆さんこんにちは!
大船こどもとおとなのクリニックです。

今回は気温が下がるこの時期に増えやすい夜尿症(おねしょ)についてご紹介します。

おおよそ2歳ごろまでの子どもは毎日おねしょをしますが、成⻑するにつれてなくなっていきます。しかし、5歳以降で月1回以上のおねしょが3カ月以上続くものを「夜尿症」と言います。特に寒くなってくるとおねしょをしやすくなったり、再発してしまう場合がありますが、単に「寒いから」と片付けるのではなく、生理的なメカニズムを理解し対策するようにしましょう。

■夜尿症の原因
ますはじめに、夜尿症の原因は大きく3つあります。
・膀胱の発達の遅れ
・寝ている間に作られるおしっこの量が多い
・おしっこが溜まった時に目を覚ますことができない
それぞれの原因が重なっている場合や、この他にもストレスによっておねしょをしてしまう場合もあります。
より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
https://www.ofuna-kodomotootona.com/service/p07/

■気温が下がる時期に考えられる影響
・血管収縮による尿量増加
寒いと体は体温を維持するために血管を収縮させます。この血管収縮は、腎臓への血流を一時的に減少させる可能性があります。腎臓は血液をろ過して尿を作り出す臓器ですが、血流が減るとろ過効率が低下し、結果として体内に水分が蓄積されます。

夜間はこの蓄積された水分が、尿として排出される量が増加し、おねしょにつながる可能性があります。

・抗利尿ホルモン(ADH)の分泌変化
ADHは、腎臓で尿の濃縮を行うホルモンです。通常、睡眠中はADHの分泌が促進され、尿量が減少します。しかし、寒さによってADHの分泌が不安定になる可能性があります。ADHの分泌が不十分だと、尿が濃縮されずに多量に作られ、夜間のおねしょにつながります。

・睡眠の質の低下
寒いと睡眠の質が低下する傾向があります。寝冷えによる体の緊張や、寒さによる不眠は、睡眠中に膀胱が満たされる感覚を鈍らせる可能性があります。結果として、膀胱が満杯になっても、トイレに起きることができずに、おねしょをしてしまうという状況になりやすくなります。

・水分摂取量
寒い季節は、温かい飲み物を摂取する機会が増えます。就寝前の水分摂取量が多いと、夜間の尿量が増加し、おねしょの頻度が高まる可能性があります。特に、就寝直前に大量の水分を摂取するのは避けましょう。

これらの要因が複雑に絡み合い、寒い季節におねしょが増えるという現象を引き起こしていると考えられます。

■寒い時期の夜尿症対策
・体温調整がしやすい服装を心がける
・夜ごはんの後は水分を取りすぎないようにする
・寝る前は必ずトイレに行く
・就寝時に体を冷やさない

また、夜尿症の克服のためには
「怒らない」「焦らない」「起こさない」「比べない」「褒める」ことが重要です。
お子さんが焦ってしまうとストレスに繋がり治療の妨げになってしまいますので、焦らず根気強く治療を続けるようにしましょう。

当院では、状況に合わせて生活習慣に関する指導、お薬の処方、機器を使った治療を行なうことができます。
ご家庭で記録をつけていただき、記録を参考にしながら診断、治療を進めることができますので、少しでも不安のある方はご相談ください。

(2024年10月25日)


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