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その長引く咳、マイコプラズマ肺炎かもしれません

皆さんこんにちは!
大船こどもとおとなのクリニックです。

気温が少しずつ下がり、随分と過ごしやすい気候になりましたね。寒い時期に向けてこれから増えるのが風邪や感染症です。お子さんに熱や鼻水が出ると病院に受診される方がほとんどかと思いますが、熱や鼻水が治っても咳だけが続いている、といった症状はありませんか?
今回は、そんな長引く咳の症状があれば気を付けていただきたいマイコプラズマ肺炎についてご紹介します。

■マイコプラズマ肺炎の特徴と感染経路
子どもの熱が下がっても咳がずっと続いている、熱が上がったり下がったりする、といった症状があると「風邪が長引いているのでは?」と思われがちですが、実はマイコプラズマ肺炎かもしれません。マイコプラズマ肺炎は、長く続くひどい咳が特徴です。
感染力が強く、発病前から発病後2 週間程度は感染力があると言われています。主な感染経路は、手すりやドアノブなどを触って感染する接触感染や咳やくしゃみなどによる飛沫感染です。

■子どもがかかりやすいの?
特に学童期から思春期の子どもに多くみられます。5歳未満では感染したことが分からないまま治ったり、風邪程度の軽い症状で治ることも多いです。

■どんな症状がでるの?
約2〜3週間の潜伏期間を経て、咳や鼻水、喉の痛み、発熱や全身の倦怠感、頭痛など風邪の症状が見られます。
熱が出た数日後に、「こんこんこん」と痰の絡まない乾いた咳が出てきます。その後、痰が絡み始め、悪化するとゼーゼーという息をする場合もあります。一般的には、小児の方が症状は軽いと言われていますが一部の人は肺炎となり(感染者の3〜5%程度)、重症化することもあります。

■どうやって診断するの?
マイコプラズマ感染初期は風邪や気管支炎と診断されることが多いですが、再診時に聴診で胸の音を聴くことで予測されます。患者の年齢や病気の経過・症状、レントゲン所見などを総合的に見て医師が判断します。

■治療方法は?
主にマクロライド系という種類の抗菌薬を服用します。適切な時期に服用すると2~3日で解熱します。肺炎だからといって入院しなくても治療することができます。

■予防できるの?
感染経路が手すりやドアノブなどを触って感染する接触感染や咳やくしゃみなどによる飛沫感染ですので、これらの経路から感染しないようにすることが重要です。
・こまめに手洗い・うがいをする
・園や学校で咳・くしゃみをしている人が身近にいる場合はマスクをつける
・人が多い場所への外出時はマスクをつける

■登園・登校の目安は?
マイコプラズマ感染は、登園・登校の許可に基準はありません。そのため、熱が下がり症状が落ち着けば登園・登校しても良いでしょう。ただし、1週間程度は園や学校を休ませましょう。

長引く咳や熱がなかなか下がらないなどの症状があれば、早めに受診するようにしましょう。

(2024年10月18日)

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