大人の喘息(気管支喘息・咳喘息)
大人の喘息(気管支喘息・咳喘息)
喘息は、気道※の慢性的な炎症※※が原因で、咳や痰、息苦しさなどの症状が起こる病気です。
喘息の方の気道には、アレルギーなどが原因となって、慢性的に炎症が生じています。
そのため少しの刺激でも気道が過敏に反応し、気道が狭窄し咳や痰の症状や、呼吸困難を伴う喘息発作が起こります。
※肺の中の空気の通り道
※※生体が細菌・ウイルス感染、物理的・科学的刺激などを受けることによって生じる局所反応
喘息の症状として以下のような症状が挙げられます。
喘息発作は以下の様な状況で起こりやすくなります。
喘息と診断するうえで、最も重要な手がかりとなるのは問診(症状経過などについての質問)です。
ご自身の症状、発症のタイミング、既往歴、生活環境などについて医師に伝えることが診察に役立ちます。
当院では、必要に応じて検査を実施することで客観的に症状を分析します。
〇 呼吸機能検査(スパイロメトリー)
喘息の方の気道は、喘息でない人より狭く、空気が通りにくい状態です。
気道がどのくらい狭くなっているか、肺に貯められる空気の量などを測定し、数値やグラフで示すことができます。
〇 NO検査(一酸化窒素検査)
NO(一酸化窒素)は、白血球の一種である好酸球による炎症があると体の中で産生されます。
呼気中に含まれるNOの濃度を測定することで、気道で起きている炎症の状態を数値化することができます。
〇 血液検査(アレルギー検査)
アレルギー反応を起こすアレルゲン(ホコリ・ダニ・花粉など)が原因で、喘息が起こることがあります。
血液検査によって、ダニやスギ、食べ物、動物などに対するアレルギー反応の有無を調べます。
喘息の治療は発作を起こさないようにすることが大切です。
発作を繰り返していると、発作を起こしていない状態でも気道が狭くなってしまい、ますます発作が起こりやすくなる悪循環に陥ってしまいます。
(「リモデリング」とも。イメージ図の様に、気道の平滑筋・粘膜・基底膜が肥厚化した状態のまま硬くなり、もとに戻らなくなる)
発作が起こらないようにする治療としては、ステロイド吸入療法が中心となります。
発作が起きてしまった場合に発作を鎮める治療としては、吸入・内服・点滴治療があります。
Q風邪は治ったけど、咳だけがずっと続いています
Aウイルス感染であるいわゆる風邪や新型コロナウイルス、インフルエンザウイルスによる咳は通常は2週間程度でおさまります。
2週間以上続く咳は、気管支喘息や咳喘息、COPD、肺炎、肺がん、結核などさまざまな肺の病気が原因である可能性があります。
ことに喘息は、風邪をひいた後に起こることが多い為、「風邪が長引いている」と勘違いしやすいので注意が必要です。
「喘息(気管支喘息)の症状」に1つでも当てはまるようであれば喘息の可能性もありますので、一度当院までご相談ください。
Q咳喘息と言われました。気管支喘息ではないので調子の良い時は吸入しなくても良いですか?
A「気管支喘息(喘息)」は、喘鳴や息苦しさがあります。一方で「咳喘息」は、喘鳴はないものの咳がなかなか止まらない状態を言います。咳喘息は軽症の喘息と言いかえることができるかもしれません。
そのため、咳喘息の治療は、喘息と同じように気道を広げる吸入ステロイド薬・気管支拡張薬を使います。
きちんと治療を続ければ1~2ヶ月程度で治まります、途中で治療をやめてしまうと慢性化し、気道が狭くなり喘息に進展してしまう場合もままあります。
しっかりとした診断を受けたうえでの治療が必要です。
「One airway, One disease」という概念が提唱されています。
日本語にすると「1つの気道、1つの病気」です。
「気道」は、口・鼻から肺までの「空気の通り道」の略称と言えます。
気道は、上気道と下気道に区分されています。
上気道:口・鼻~喉~声帯
下気道:声帯~気管~気管支・肺
上気道・下気道とも同じような粘膜の構造をしており、基本部分は同質です。
そのため、上気道と下気道で共通して病気が起こりやすく、症状の改善も共通して起こりやすくなります。
気管支喘息の方の多くはアレルギー性鼻炎を合併していると言われています。
当院では、上気道を担当する耳鼻咽喉科と、下気道を担当する内科が協力して、鼻のアレルギー(アレルギー性鼻炎)と気管支のアレルギー(気管支喘息)の治療を並行して行なうことが可能です。
「One airway, One disease」の考えに基づけば、鼻と気管支のアレルギーは同時に治療した方がより治療効果が高いということになります。
アレルギー性鼻炎と気管支喘息にお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。
〒247-0006
神奈川県横浜市栄区笠間二丁目2番1号
GRAND SHIP 2F
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