耳あかと耳掃除ついて

耳あかは、耳の内部の分泌物と剥がれ落ちた耳の皮膚が混ざったものです。耳あかの種類として、カサカサした乾型とネバネバした湿型の主に2つのタイプがあります。日本人は乾型が多い傾向にあります。
私たちの耳には、耳内部の老廃物を耳の外へと運ぶ「自浄作用」と呼ばれる働きが備わっているため、耳掃除を頻繁にする必要はありません。耳掃除をすると気持ち良いため、ついつい自分で耳掃除をしてしまうという方も多いかもしれませんが、耳掃除のやり過ぎは自身の耳を傷つけたり、耳あかを内部に押し込んだりしてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

赤ちゃんの耳あか

赤ちゃんの耳あかについて、耳あか多い、臭いがする、黒色をしている、黄色くベタッとしているなどのご相談を受けることがあります。まず、赤ちゃんは新陳代謝が活発で耳あかができやすい傾向があります。そして、赤ちゃんの耳あかの臭いについては、寝ている間によだれや涙、母乳などが耳に入ったことで臭いが生じている可能性があります。また、黒色の耳あかやベタッとした黄色の耳あかについても、お母さんの体内で羊水に浸かっていた影響によるものと考えられるので特に心配はありません。
ただし、耳あかの臭いが長引く場合やドロッとした黄色い液体がでてきている場合は中耳炎など耳の病気になっている可能性があるため、耳鼻咽喉科を受診してください。

赤ちゃんの耳掃除

赤ちゃんの場合、入浴後などに週1回程度のペースで清潔なガーゼやベビー用綿棒を使って耳の入口周辺を優しく拭き取ってあげるくらいで十分です。ただし、ご自宅で赤ちゃんの耳掃除をする際に、赤ちゃんが嫌がって動いたことで耳の内部にケガをさせてしまう危険性もあります。ご不安な場合は耳鼻咽喉科で耳掃除をしてもらうのも一つの方法です。

耳垢栓塞(じこうせんそく)について

耳あかが耳管に詰まることが原因で起こる耳垢栓塞になると、耳が聞こえづらくなる、耳鳴りがする、などの症状が発生します。プールなどに入ったことで耳あかが水分を含んで膨張するケースの他、耳掃除のし過ぎで耳の自浄作用が弱まって耳あかが溜まりやすくなっているケースがあります。耳垢栓塞になるまで耳あかが詰まってしまうと自分で取り除くことは出来ないので、耳鼻咽喉科にて詰まった耳あかを除去する必要があります。

こんな場合は耳鼻咽喉科へ

耳あかや耳掃除に関して、次のような症状があった場合は耳鼻咽喉科にご相談ください。

  • ドロッとした粘り気のある黄色い液体がでる
  • 耳あかの臭いがくさい
  • 耳の聞こえが悪い
  • 耳の痛みや違和感がある

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